2008年11月21日

11月3日の渡辺一枝さんのトークショーで、チベットの民話を2つ聞かせて頂きました。。

チベットの民話は面白く、また、深い意味があるようです。。

チベットの民話を紙芝居にして、日本の子供たちに紹介したい、なんて考えています。


昔、昔、ある山の洞穴に、大きな獅子が棲んでいました。
獅子はもともと力が強い動物なのですが、辺りの小さな動物たちをつかまえては
食べているうちに、なお体が大きくなり力もついてきたのです。
小さな動物たちは獅子に見つかって捕らえられたりしないように、音もたてずに、
びくびくと暮らしていました。

ところがある日のこと、小さな石の陰で野兎が眠りこんでいるところへ、
獅子が通りかかってしまったのです。ちょうどお腹も空いていた獅子は、
前脚をふりかざして兎を捕らえようとしました。その大きな爪を見て兎は、
ぶるぶると震えながら言いました。
「獅子さん、どうぞ私を食べないで、私みたいにちっぽけな体では、
あなたのお腹は満たされないでしょう。私はあなたにもっとふさわしい、
おいしい獲物の棲み家を知っています。そこへあなたをご案内しますから、
どうぞ私を食べないで」

それを聞いた獅子は、それならそこへ行ってそいつを食べてから、
この兎を食べても遅くはないと思い、兎に案内させてついて行きました。

兎は道々獅子にその獲物のことを話しました。
「そいつは、まるであなたのように立派な体で、あなたのように見事な
毛並みをしているのです」

それを聞くと獅子は、辺りには自分ほど立派な動物はいないと
思っていたので、憎憎しげに、
「そいつがどんなに立派に見えようとも、見かけ倒しに過ぎんだろう。
俺様の一撃にはかなうまい」
と言いました。また、兎が言いました。
「そいつは辺りの動物たちの中で誰よりも力があるので、みんなは
そいつをとても恐れています」

すると獅子は憎々しげに、
「そいつよりも俺様の力の方が強いことを見せてやろう。
あたりの動物たちの中で、誰よりも力があるのは、
この俺様なのだ」
と言いました。そして
「さぁ、早くそいつの所へ案内せい」
と兎をせきたてました。

兎と獅子は、やがて石で囲った小さな水汲み場へ着きました。
すると兎は、
「獅子さん、そいつはここに棲んでいます。その中をのぞいてみて下さい。」
と言って、ひょいと一跳びして、水汲み場の脇の丸石に上りました。
獅子が中をのぞくと、そこには獰猛そうな顔をした動物が、
自分を睨んでいるのが見えました、兎が、
「獅子さん、気をつけて下さい。そいつが吼えたりしたら、
辺りの動物はその声を聞いただけで失神してしまいます」
と言うのを聞くやいなや、獅子は、怒り猛って吼えながら、
そいつに跳びかかっていきました。

水汲み場に落ちこんで這い上がれないでもがいている獅子に、
兎はありったけの悪口を浴びせて、耳をピンと立てて
どこかへ行ってしまいました。
獅子は、そのまま溺れて死んでしまいましたとさ。

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by candlemapping | 2008-11-22 10:49 | キャンドルおじさんのページ
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